信州の暮らし

インターネット安曇野 平林登

 信州の冬の寒さを心配している人が多いかと思います。長野県は全県にわたって空気が澄み、日照時間が長いために、冬の寒さも太陽のおかげであまり気にならずに暮らせます。太陽のありがたさを体で感じます。春が待ちどうしくもありますが、信州の冬は決して陰鬱な季節ではありません。

 長寿県である理由は、信州人の風土・気候に向き合って暮らす習慣にあります。健康を増進できる生活環境が自然の中にあることこそが、長野県に生活する意味だと思います。あらためて土とは?水とは?空気とは?私たちが生きてゆくために必要なものが身近にある安堵感が、故郷に愛着がもてる由縁です。山村には文明人の癒しの場がいたるところに眠っています。

 また、親の教育観により子どもの住む場所が決まってしまいます。啓蒙期に必要な教育を考えてみると、信州は子どもたちにとって豊かな宝庫です。人間は、もともと管理されるために生まれて来たのではありません。今、学級崩壊が社会問題になっていますが、この理由は、子どもたちを取り巻く大人たちに目に見えないものを感じ取る力が無くなってしまったからだと思います。空は鳥を自由に飛ばせ、海は魚をほしいままに泳がせる。大人はこの空や海の大らかさを忘れて鳥や魚になってしまい、理に走り、情がなくなってしまいました。

 また、傷ついた心を癒してくれる祈りの場が、身近かになくなってしまいました。このために自分の身を痛めつけたり、より刺激を求めて放縦してしまいます。これが社会現象となっています。世の中から聖職者が居なくなってしまったからです。

 信州に移り住むことですべてが解決するとは思いませんが、子どもたちの生命力を生かすことは事実だと思います。


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