弁天講


一年の最初の己巳の日(今年は2月10日)
浅川伺去 当番の家
組織   禅宗の仲間 男性のお年寄のみ5人
御利益  おめでたいことがある

 崇拝対象は「奉請宇賀大神王」の文字の下に宝珠の玉が三つ書かれた掛軸である。
夜6時半頃、当番の家の仏壇の戸を閉め、床の間に祭壇をつくる。
 出席者は男性6人で当番の家からは2人が出席し、風呂をわかして入る。供物は精進料理で、御神酒、ごはん、汁物、おひら(油揚)、煮物などで、祭壇に拝礼し般若心経10回を称える。
 各々の家から米4合を集め、ご飯を炊く。本来弁天講は鯛の刺身でもつけるめでたい講であるが、以前おかのえ講と一緒に行っていたので精進料理となった。しかし後の直会は刺身、天ぷら、茶碗蒸し、酢の物、鮭の切り身、サラダなどが出る。
 昭和18年頃まで庚申講、太子講も同じ仲間でやっていたが、物資もなくなり、2ヵ月に一回やることは大変になりやめてしまった。
 宝珠の玉は蛇のお尻から出た玉で、宝珠(たからの玉)と呼ばれている。掛軸の箱の蓋に「分久四甲子年始、弁才天初巳講中」と書かれている。
           (昭和61年3月26日・水内良博氏他)

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信州ふるさと通信
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