山の神まつり


2月9日
芋井上ケ屋軍足 山の神石祠前
組織   軍足地区の全戸 地縁
御利益  仕事の無事 多幸 山仕事の難を除いてくれる
禁 忌  当日仕事をすれば罰があるといわれ、山仕事は勿論、他の仕事も休み、専ら体力の増進に努める
古文書  宝永7年(1710)庚寅の年に山の神建立の記録がある
石像石塔 山の神石祠

 崇拝対象は山の神である。各戸で棒しめを作り、毎年元旦の早朝に山の神さまに供える。上ヶ屋山林内の山の神石祠までは雪が深くて行けないので、よく見える所へ置く。まつりの二、三日前に神主が注連のお切り替えを行う。うつぎで弓をつくり、その木の中へ酒を入れ、神主と当番が持参して山の神に供える。当日は午後一時から犬飼の鈴木法印さんが来て、祭事を行う。現在はお供物は御神酒だけで、若い衆ほか参列者が交互に参拝をし、あと当番宅で五時頃まで直会をする。酒、米、野菜などは当番宅で用意をする。
 出席者は以前は男性だけであったが、現在は男女いずれでもよい。当番は一年毎に変わり、隣から隣へと順番制である。
 また、家庭では正月のお飾り餅を入れた雑煮を食べる。
山の神は山を領する神さまである。足袋や下駄を片方ずつ違ったものを履くと、山の神のようだと笑われることから、山の神は一眼一脚だと思われていたようである。
 民俗信仰の一つで、江戸時代初期に発生したものだろうといわれている。
          (昭和57年9月21日・大日方喜一郎氏)

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信州ふるさと通信
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