天神講

 
4月25日
若穂大柳 蓮台寺仁王門前
組織   地縁30人 男性
御利益  学問成就 部落の親睦 家内安全 交通安全 身上安全 病気平癒
石像石塔 天神さんの石祠 石祠の中に床浦大明神の木札あり 石祠には世話人倉島 伊東小坂駒村 須田と彫ってある 石祠の側面に嘉永2年の彫りがある

 崇拝対象は菅原道真を祀ってある石祠。御供物は御神酒、御饌米、お頭付きの魚。お饌米は一軒 で茶碗一杯の米を集めてお寺にあげる。
 注連縄を新しくして、蓮台寺の山門の下で午後2時30分から3時まで、蓮台寺の住職が来てお経をあげる。蓮台寺は真言密教の寺であり、天神様の祭りにも経をあげ、合掌をし拍手をした。
 世話人が参拝し、全員が拝礼する。当日の出席者は僧侶を含めて19名で男性ばかりである。その後全員で御神酒をいただき、花見をしながら宴会となる。供物の魚を焼いて皆で食べる。天神様は学問の神様なので受験時に子供の参詣があるが、学問の神様だけという狭い考えでなく、様々な祈願をしているという。
 大柳の地は芝切といわれる地名で、早くから人が住みついた場所であろうと土地の人はいっている。蓮台寺より少し下の大柳の部落に、この寺の隠居寺があり、そこで寺小屋のような事をしていたといい、その折りに祠を作り講も出来たのではないかと思われる。天明2年の地図にその場所がのっているが、その後、その堂はこわれて無くなり、石祠を蓮台寺の仁王門の下に安置して昭和3、4年頃よりここでお祭りをした。かつては、一族郎党を集め、主人が家内安全を祈り、その後で親睦の花見をしたものであろうとの住職のお話しであった。日取りは住職の都合で変わる。
            (昭和58年7月15日・小坂昇司氏)

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村人の祈りが聞こえる

信州ふるさと通信
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