おたや祭り



 1月6日 川中島御厨 伊勢社
 組織   皇大神宮 内宮 外宮の信者を中心に、総代10名は御厨の中から選ぶ。
 御利益  国の繁栄 家内安全 農耕守護 水除の神
 古文書  明治23年にお米を集めた事や、甘酒をふるまったという記録が残されている。

 伝承 崇拝対象は、天照皇太神宮(御神体は鏡)御供物は、御神酒、御飾り餅、野菜、鱒、果物、菓子などを供える。勤行は祝詞を上げてお いをする。2年詣りの意味で夜中から参詣する人もあり、神主は参詣にお いをして、お神酒をくださる。6日午後3時頃、神主が神事を行う。伊勢社は神社本庁の管轄で、大麻札は12月5日に伊勢神宮より神社庁へ直送され、更級郡の支部長から、各町村の伊勢社へ配布される。参詣者はお種銭を頂き、翌年倍にしておかえしする。またお米を御奉仕としてあげる。
 毎年沢山集まり甘酒をつくって参詣者にふるまう。「おたや」とはお田屋、またはお旅館などと言い、伊勢神宮の御師といわれた神職が地方へ神徳宣布に出た時の拠点とした宿舎のことで、御師は特定の信者と師壇関係を結び大麻札を配布し祈祷を行った。御厨の北にも「おたや」という地名が残っていて、ここにも「おたや」があったと思われる。明治以前は御師が伊勢神宮の信仰の普及に務めたが、明治以後はおたやが廃止され、各地の神社が中心となり人びとの信仰が維持された。近郷、近在から多数の参詣者がある。
            (昭和62年1月6日・小林精一氏)

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信州ふるさと通信
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