Iターンネットワーク 新・信州人倶楽部 |
〜第37号〜 |
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〜室堂で見た情景〜
M.S.
7月初旬、梅雨の合間をねらって剣岳撮影のポイント探しに立山・室堂に出かけた。雨模様の予報とウィークデーということもあって、流石の観光地もガラガラでゆったりとしたハイキングが楽しめた。
午前中から昼過ぎにかけて天狗平、みくりが池の撮影を終え、帰りのトロリーバスを待つ間、休憩を兼ねて室堂ターミナルの待合室で小休止をとった。そして売店のカウンターを眺めていると、生ビールが二つと食事が二つ用意され、黒っぽいスーツ姿の中年の女性がそれを受け取って席に戻る姿が目にとまった。それだけだったらなにも変わったことも無いわけだが、暫くして見るともなくその席に目をやるとテーブルの上に男性の写真がかざられ、先ほどのビールの一つがその前に供えられているではないか。それを見てわたしにはピンとくるものがあった。“写真の人はきっと彼女の夫たるべき人で、この立山のどこかで命を失ったのではないか”。山では時折見かける風景でもあるからだ。それからも離れたところからそれとなく見ていると、連れの女性と二人で話を交わしながら今度は食事をその写真の前に置いている。
わたしは時間もあったので、それらの情景を見るとも無く見つめながらあれこれと想像をめぐらした。“いや、ここで命を落としたとは限らない。若しかしたら故人(だと思うが)がこの立山の地をこよなく愛する人で、亡くなったあと家族が供養に訪れ、こうしてビールと食事を供えているのでは…”。
もう10年以上も前のこと、夏の北岳頂上直下の這い松の下に小さな骨壷がひっそりと置かれているのを見たことがある。北岳に特別の思いをもつ故人の骨をそのピークにおさめ、霊を慰めたものと思うが、それにも似たものをこの場で目にしたような気がしたのだ。
人生いろいろとあるが、今日のこの人達にも小説になるようなドラマチックなストーリーがあったのかもしれない。残念ながらわたしにはその才能がないので、浅田次郎ばりの物語を書くことはできないが、なにかしみじみととしたものを感じたひとときだった。
〜倶楽部ノートから 〜
今年度から始めた倶楽部ノートですが、一巡してコピーが集まってきました。二巡目からは1冊増えて8冊のノートが回ります。皆さんいろいろ書いていただき今後のノートに期待が持てます。
2003.7.11 庄田 政義
何でだろう…ガソリン価格
7月始め、近江路を車で走っていた。近江商人を保護し育てた蒲生氏のこと、なつかしい蒲生カントリーの想い出等を連想しながら…。丁度藩祖井伊長政の彦根城天守閣が見え始めたとき、目の前にガソリンスタンドの看板“レギュラー86円”が飛び込んできた。
大阪から穂高への帰路、瀬田の友人に会う目的と高速料を節約するため、名神高速瀬田東ICを降りて、国道8号〜21号〜19号(近江路〜美濃〜木曽路)を通って帰るときのこと。
大阪(吹田、茨木市内) 90 〜 95 円
滋賀(大津〜彦根) 85 〜 92 円
岐阜(岐阜) 86 〜 94 円
長野(木曽〜穂高) 107 〜 104 円
こうしてみると、とにかく安曇野地方のガソリン価格は高すぎる。
ガソリンはセルフスタンドの普及に見るように、付加価値を付けにくい商品。この価格差は異常としかいいようがない。高い原因はなんなのか、ガソリンスタンドが儲けているのか、元売りの仕切が高いのか、輸送コストが高いのか(中東からの距離は東京、大阪、長野も変わりがないと思うが)。書きながら怒りを覚えてくる。公共交通機関の少ない私達にとって、ガソリン価格は重要だ。だれかなぜ高いのか教えて下さい。また安くするにはどうすればよいかも(たとえばタウン誌、新聞投稿で元凶をあぶり出し作戦など)。
2003.7.8晴 K.S.
松本市に引っ越しをして丁度丸2年になります。さらに県住へ移転をして2カ月、梓川のほとりの小宮団地です。
あもる花代手作り酵素の会、と中国文化研究会(ボケとアルツハイマーを予防のため、お酒など飲まない、タバコなど吸わない、勿論賭けない、の四原則を守って)を主催しております。興味のある方は連絡をください。中国文化研究会(マージャンのことです)は毎月2回公民館で行っています。参加費は300円です。
手作り酵素は春は沢さんの草達で、6〜7月は梅、ブルーベリーハスカップなどで、単品の酵素を(甘酸っぱくて夏ばて防止他に良好です)。
秋は実りのもの、穀物、野菜、果物、山の恵みのもの、山菜、薬効のあるもの、等々100種類を超える材料を使ったりもします。
春、秋の搾り粕はお風呂に使い、酵素風呂とし、さらにその風呂で使った後は二重袋にして洗濯機の中へ洗い物と一緒に洗剤の代わりにして、洗剤を使わない洗濯をします。最後は畑の肥料になり、捨てるところなしです。洗剤を使うより白くなり、臭いもなしでとても気持ちの良いものですよ!!
単品の果物の実は生ジャムとなり、火を使わず天日干しをしたりで体に優しいジャムの出来上がりです。
冬になると、ご当地のリンゴとカリンのミックスジャムを作ります。リンゴだけだと甘いだけ、カリンだけだとひつこい味、ミックスにするとまことにまろやかで、パンに付けても、紅茶(ロシアンティー)に入れても、プレーヨーグルト、ホットケーキと幅広く、応用できます。
ところでカリンが入ると火を使いますが、40℃〜45℃くらいに冷めたとき、「海の精」と云う酵素を入れますとカビたりしません。発酵はしますので最高に美味しいときに天日に干すか、冷凍にする、または冷蔵庫でも旨味が持続します。酵素は植物から頂く栄養素を最大限に引き出したエキス(汁)です。そして発酵食品です。
それでは今日はこの辺で。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
2003.7.3 チョコ
クラブノートに始めて書くのはなんだか責任が重いなあ、ドキドキしています。「気楽でいいよ」って言っていただいているにもかかわらず、いざノートを前にしたら、書くことは好きだと思っているのに書けなくなってしまいました。もうノートを受け取って2日経ってしまいました。急がなくっちゃ!
最近起きた事件から始めることにしましょう。4月10日、午後5時頃、ピアノのお稽古中に電話が鳴りました。
「はい、○○です。」
「奥さんですか。こちらは新潟で一緒に仕事をしている○△です。今ご主人が怪我をして救急車で運ばれて、病院に来ています。」
私の頭に浮かんだ最初のことは、新潟まで行かなきゃならないのかな?でした。相手は取り乱すのではないかと気を遣ってくださっているようです。「命に別状はないのですか?」、「はい、頭は打っていないようですし大丈夫だと思います」、「なぁんだ。生きているんならいいじゃないですか」。この言葉に相手はホッとしたようで、話し方がずっと楽なりました。
それから3カ月近くが過ぎました。主人の怪我(左肩甲骨骨折)は、痛みは残っているものの、どうやら使えるようになってきています。私の初めの心配は、無事乗り切れて、新潟へは行かずに済みました。周りの方が騒いで下さると、かえって冷静になれるようです。冷たいねぇと言われながら、始めてのルンルン独身生活をエンジョイしてしまいました。
やめておいて、というのも訊かずに主人は使える右手だけで軽トラを運転して、新潟と茅野を行ったり来たり、我が家の事件も悲愴にならずに済みました。
普段は主人と私、犬3匹との暮らしの我が家です。去年13年半一緒にいた犬に死なれました。残ったハスキーは全くほえないフレンドリー犬です。山の中の生活ではやっばり番犬は必要だと、死んだチョコの変わりの吠える犬をさがすことになりました。普通知らない人が来れば吠えると思っていましたが、ひょんなことから予定外に3匹に増えてしまった犬たちは、ほ・え・な・い。
みんな先住犬を見習ってニコニコ笑顔でいらっしゃい、と言う感じです。それなのに6時の「夕焼け小焼け」の音楽に合わせての遠吠えは、仲良く一緒にやっています。子犬から育てたので、かわいさはひとしおです。それぞれ個性的で、ハスキーのあんこは一見大きくて怖そうなのに、お人好しで優しい目をしています。2番目に来た雑種のベリーは毛並みの悪い目の色の薄い、見た目の悪い、でも性格はとても優しい女の子です。そして3番目のマロンは、目が小さくて顔がなが〜い。お母さん犬が子育て上手で、とても安定した性格の男の子。こんなにかわいい性格の犬は初めてです。飼ってしまえば見た目はどうでも家の子です。親ばかになって、いい子、いい子とかわいがっています。
散歩は3匹をつれて出かけますが、見た人は一瞬ビックリするようです。わざわざ車を止めて話しかけてくる方もいます。今、引っ張らないできちんと歩けるように一生懸命躾中です。犬達がいてくれなければ、一人で定期的に歩くこともしないと思うのでありがたい存在です。
とりとめもなく一応ノートをうめました。きっとこれから書く皆さんは気楽になって下さったと思います。2巡目はもう少し文才?を発揮したいと思います。
〜おいしい味を、少し〜 −22−
中澤 滋
今年大名町通りに開店した、ちょっとおしゃれな雰囲気のビストロ・南仏家庭料理店を紹介します。食事処では久しぶりの松本の登場で、もう数回訪れましたが、手頃な値段といつ行っても安定した味です。皆さんにもぜひ味わっていただきたいと思います。なおこのお店はカフェ&レストランなので、午前10時の開店から夜まで営業していますので、お昼をちょっとはずれても心配ありません。 |
このビストロにはフランス人シェフが2人いて、手作りケーキがとても美味しいので、きっと1人はかなり腕のいいパティシエだと思います。
ランチは11時からで、日替わりで3〜4種類、850円から揃っています。肉の赤ワイン煮込み、海の幸スパゲティー、ローストポーク、ラザニアなどなど。それぞれ副菜付きのセットです。ハーブやスパイスの使い方が良く、フレッシュな香りを味わえます。
前回行ったときの私のランチは「ローストポーク」で、ボリュームのある肉にマスタード、それにラタトゥイユがたっぷり乗ったライス、そしてサラダでした。肉の焼き方も良く、ハーブの香りがわずかにする軟らかい肉にたっぷりのマスタードをつけて食べました。ライスには野菜の香りたっぷりのラタトゥイユがのっていて、辛ピーマンのアクセントが香る、さわやかで美味しいランチでした。
女房は「海の幸のキッシュ」でしたが、表面がしっかり焼けたパイ生地が「さくさくっ」と香ばしく、中は魚介類とクリーミーなホワイトソースがからみ、食感はふっくらとして素材の香りもしっかりとした美味しいものでした。ラタトゥイユのライスとサラダは私と同じです。
食事やケーキと一緒に飲み物を頼むと100円引きなので、私達は大体何種類かのハーブティーから選んで飲みます。そしてあまりケーキには執着のない私がいうのもなんですが、ここのデザートはとてもいいのです。素材のフレッシュ感といい、適度な甘さ、そして丁寧な作り方が気に入っています。松本にはひいきのケーキ屋「ミッシェル」がありますが、そこの飾りつけやケーキの作り方の職人技(味はちょっと甘めでふんだんなリキュールを使っているため、好みがあるようですが…)にはかなわないものの、300円からの値段でこれは大変立派です。女房はいつも、私の分を半分食べてもまだ「もう1つ食べられる」とねだりますが、残念ながらそれがかなったことはありません。
松本ではミーハー雑誌に載る店が人気ですが、そんな雑誌の常連店とここを比べてはいけません。松本には金をつぎ込んで宣伝ばかりし、客が増えれば材料を落とし(もともと材料の質などこだわっていないのですが…)、冷凍物でごまかしたりする、ようは金儲けだけの店が多すぎます。ひどいところはケーキ丸まんま冷凍したものを本部から受け取るだけ、という店もあり、雑誌で「美味しい」と紹介されるのです。そのお店は波田町の国道沿い、「鍋割」にありますので、皆さんもだまされないように…。
松本地域には結構金持ちが多くて、そんなハイソな連中が奥さんの「おねだり」で店を出す、というパターンがあるようです。だから顧客のための味を追求するのではなく、自分の欲求を満たすだけなのです。まあ食べればまずいのはすぐ分かるのですが、そんな店でも雑誌に掲載してもらうことで延命治療をしているのです。
でも自分の舌で感じる感性が無くなってきた人が多くなったのかと、少々さみしい気がします。昨今の食品業界が注文に応じられなくなると、日付や産地をごまかしたりする、それと同じようにお客さんをないがしろにする店が金の力でのさばっているのはとても残念です。と、ひどい店が多いので話がそれてしまいました。
しかし、このビストロ・ラ・プロバンスは、お客さんに「美味しい」といっていただくことを作り手が満足するという、そんな誇りを持った料理の“プロ”がいることが伝わってくる、数少ない確かなお店だと思います。
今号は内容が多く、イラストなど入る余裕がほとんどありませんでした。読み応えはありますが、少し疲れてしまうかもしれませんね。
夏の終わりになってやっと暑い日が続きます。今年の我が家の草木は雨が多いおかげで元気で、アブラムシがとても少なかったのが印象的です。いつもは牛乳を噴霧するのですが、家庭菜園のトマト・キュウリ・ナスにもほとんどつきませんでした。でもやはり季節はその季節らしくないと、何かで困ることになりそうです。それも地球規模でお互いに影響しているから、話は複雑です。フランスでは熱波で1万人もの死亡ニュースも。
●会報目次●
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