Iターンネットワーク 新・信州人倶楽部 |
〜第17号〜 |
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下伊那郡平谷村の岩下典義さんからの近況報告として、今年の1月13日付けの朝日新聞に掲載された記事が送られてきましたので以下に紹介します。
〜いなかを楽しむ〜
N.I.
下伊那郡平谷村の村開発公社に勤めるIさん(48)は薫製づくりに凝っている。イワナやニジマスはもちろん、イノシシやクマの肉も使う。村には豊富な素材がある。
みそづくり、キノコ栽培も楽しい。狩猟もできる。これから陶芸やそば打ち、豆腐づくりにも挑戦するつもりだ。Iさんにとっては村全体が遊び場のようなもの。野原に田畑、山と川。さがさなくても、そこにある。
「こんなぜいたくは都会じゃできんよ。金は使わんでもええし。どうすれば、面白いことができるかって、頭は使うけどなあ…」岩下さんは6年前、村に移り住んだ。「何もないところ」をさがしてたどり着いた。村外からの客でにぎわう温泉施設「ひまわりの湯」も、そのころはなかった。
いなか暮らしを嫌がっていた妻子も、数ヶ月後には大阪から呼び寄せた。収入は半分に減ったが、村営住宅の家賃は月2万円ほど。生活に困ることはない。
一昨年、平谷村や隣の根羽村に都会から移住した家族が集まって「Iターンの会 いなかぞく」を作った。「いなかぞく」は「田舎族」と「伊那家族」をかけた。機会を見つけて酒を飲み、語り合っている。会長は岩下さん。会員たちの知識や技術を生かし、「外の目」で村に提言していくことも考えている。
移住してきた家の主婦は話し相手が少なく、家に閉じこもってしまうことがある。だから、この会に参加してから語り合える友達が増えたと喜ぶ人もいる。ここなら子供の教育や生活の悩みなど、共通の話題を持つことができる。愚痴もこぼす。
Iさんは村の暮らしに疲れて去っていった家族も何組か見てきた。隣近所との付き合いが多く、行事も春夏秋冬ある。そうした人間関係がだんだん面倒に感じて家の中にこもってしまい、やがて、村がいやになってしまうのだという。他人に気兼ねせず、のんびり過ごそうと思えば、いなかよりも都会のほうがずっと暮らしやすいという一面がある。「何をしたいか目的意識がしっかりしていないと、いなか暮らしは挫折することが多いんですわ」
そんなIさんの目的は「徹底的に楽しむ」だ。多くの楽しみの中でも「農業が一番面白い」と断言する。手をかけた作物が芽を出して花を咲かせ、実を結ぶ。その喜びは何物にも換え難い。約50アールの土地を借りてトウモロコシ、ジャガイモなどを作っている。中でも力を入れているのがトウモロコシだ。新品種を導入して農業普及員の助言どおりに育てると、大きなトウモロコシがどっさりとれた。こうなると村の人たちは「商売敵」だ。苦労して見つけた種は絶対に教えられない。
試みに、観光客に収穫を楽しんでもらう催しを畑で行った。中京圏を中心に口コミで知った人が20人ばかりやってきた。
田んぼ約1,500平方メートルも買った。その一角に大きなログハウスを建てて周りにトウモロコシを植え、観光客に収穫などを楽しんでもらう計画だ。そば打ちやキノコの栽培、薫製づくりなども合わせて体験してもらおうと考えている。作業の手間も省ける。一石二鳥の夢だ。
土に触れる喜びを味わいたいという都会人を相手にした市場は、まだ開発途上とIさんは見ている。「いなかでも、マーケットを意識した農業を行う時代なんですよ」
〜身近な山歩き〜
M.S.
“光城山”
この会報が発行される4月20日頃、標高912mの光城山山頂に至る登山道沿いの桜並木は、華麗な花のトンネルを作っていると思われる。安曇野には、さくらの名所といわれるところは少なくないと思うが、光城山が他を圧するといわれる由縁は、残雪豊かな常念岳を借景としている立地条件によるところが大きい。厳しい寒さを通り抜け、待ちわびた春到来を告げる薄紅の花びら越しに見る常念山系の眺めは、何回見てもあきることがない。登山口から山頂までの標高差は、300mくらいであろうか。登行路もよく整備されているので、花見をしながらのんびり登っても1時間ぐらいで山頂に立つことができる。裏道から車で山頂近くまで行くこともできるが、ここはハイキングを兼ねて表側から歩いて登ることをおすすめしたい。
登山道への道順は、国道19号線の田沢駅前のT字路を北へ約2キロ、“光”の信号を右に入ってすぐの墓地の奥に駐車場がある。登り口はその右手のところだ。
登高を続けるうちに背後の北アルプスの山稜も次第にせり上がってきて、30分も登ったあたりから振り返ると、安曇野のシンボル常念岳が裾野から山頂までを鮮やかに見せつけている姿に驚かされる。雪をまとった山容は、さくらの花びらとマッチしてほれぼれとするくらいの景観だ。信州に住んでいることの幸せをしみじみと感じる一瞬でもある。
足に自身のない人でも、1時間をかければ頂上に立てる。持参のお弁当を食べながら、あらためて山頂からの雄大な眺望を楽しむうちに疲れが消えてゆくだろう。
<参考資料>
・駐車場は15〜20台くらいのスペース。
・水筒および弁当は必携のこと。
(山頂に休息所はあるが休日のみオープンで売店はない。)
前号“八方尾根”の文中、ゴンドラ名「イブ」について、Hさんから「誤りではないか」との指摘をいただきました。調べたところ正しくは「アダム」で、栂池のゴンドラが「イブ」でした。失礼しました。
〜第14回例会のご案内〜
5月の例会では、“茶臼山ハイキングと県民の森キャンプ”を笹川さんが企画してくれました。皆様ふるってご参加ください。
雨天の場合でもくつろげる場所を確保し、そこで食事や懇談をしたいと思います。したがって集合時間、場所は天気に関らず同じです。
日時 5月14日(日)
場所 県民の森キャンプ場
(案内図に示した駐車場に集合し、その後広小場キャンプ場へ移動します。)
時間 午前8時30分
・ハイキング組A
(健脚コース 約2時間)
広小場キャンプ場⇒茶臼山⇒塩くれ場⇒美ヶ原高原山荘⇒広小場キャンプ場
・ハイキング組B
(お手軽コース 約1時間半)
広小場キャンプ場⇒茶臼山⇒広小場キャンプ場(同じところを往復)
・キャンプ場周辺お楽しみコース
広小場にメインテント(8〜10人用)設営し、キャンプサイトなどの散策やバードウォッチング、おしゃべりなどで2時間ほど自由にくつろぐ。
2時間ほどで登山組がおりてくるのでキャンプ場のメインテントで合流し、お楽しみの食事・宴会です。
<持ち物>
・各自のお弁当や飲み物など、そして鍋料理用にお椀とはし。
・ハイキングの人はそれ相応の格好でお願いします。運動靴と水筒があればいいと思いますが、気になる方は笹川さんに聞きましょう。
今回は登山の好きな人だけでなく、足の自身はないものの、自然の中でくつろぎたい人でも楽しんでいただけるでしょう。また鍋料理を用意しますので、お椀とおはしをお持ちください。
帰りには「さくらの湯」で入浴し、さっぱりして帰れます。集合場所までは、松本市街から車で30分もあればいいでしょう。参加希望者は笹川さんまで申し込んでください。締め切りは、5月10日ですのでお忘れなく。
〜言葉の散歩道(仮題)〜
M.S.
当地に住んでみて方言というか、この土地ならではの言葉をお互い知るようになったと思います。当会報では、有志の人たちの発案で次号から、いわゆるお国言葉にまつわる話の“言葉の散歩道”を設けたいと考えました。
ここでは単なる言葉の解説にとどまらず、それにまつわるエピソードなどを交えて、一つの小話を作ってみたいと思っています。心当たりのある方は、当面の担当である島田宛ご連絡いただければ幸いです。
〜おいしい味を、少し〜
中澤 滋
堀金村の広域農道沿いの「道の駅」、堀金物産センター(「役場東」信号の南側)は、野菜などが人気でいつも朝からにぎわっています。昨年の12月にここで購入した味噌が、しばらく使わないで家に置いたままになっていました。
実は12月にここで買ったお焼きがとてもまずくて、皮のモサモサ感はまだしも、中の具が「ただゆでただけのキャベツに味噌をあえたような」、それはそれはひどいものだったのです。そんなお焼きが2つで400円もしたので、悔しくて夫婦でとても後悔していました。そのため同じ日に買った味噌も「きっと大したことはない」と思い、使わずにそのまま家に置いていたのです。
2月のことですが、いつもの味噌を切らしたので、しょうがなく堀金の味噌を使ってみることにしました。みそ汁にしたのですが、不思議?なことにいつもの味噌とそれほど変わらず、思わず「本当に堀金の味噌だったかな」と確認するありさまでした。
今回紹介するのはそんなお味噌です。
◆常念みそ◆
キロ600円と安くはないですが、なかなかおいしい味噌です。少し甘めですが、いやみなあくがなく、マイルドで誰にでも好まれそうです。わずかに“雑な味”がしないでもないですが、スーパーで売っている同じ価格帯の味噌よりも格段においしいものです。
その後は物産センターをたまにはのぞいてみる気になり、4月に入ってからまた常念味噌を買ったのですが、前回よりも香りがよくおいしくできていました。「前はすぐ食べなかったからかな?」と思ったりしましたが、手作りの味はこうでなくては…。
〜ブドウのオーナー募集〜
E.K.
完熟するまで待って、黄金色のナイヤガラを自分の手で収穫してみませんか。
ブドウ1本に付き4,000円で、オーナーを募集します。万が一収穫量が少ないときのため、ぶどう7kgを最低保証いたします。
木にはオーナーの名札を付けます。また雨除けと害虫の誘引トラップを設けて、できるだけ防除は少なくします。
袋掛けと収穫は自分でやってください。その他の管理は私たちがやります。
今年は私の住んでいる梓川村でも例年になく黄砂がひどかったような気がします。先日も洗車した車が一晩で汚れ、またまた洗うことに。柄のついたスポンジで、バケツ4杯程度の水をボディーに流してふき取るだけのエコ洗車。正味20分程度の洗車で、ホースはまず使いません。
簡単だから汚れたらすぐ洗車。これが一番です。さもないと冬の間4カ月も洗わないことになりかねません。近所にいますね、そういう人。
この習慣は、義理の兄(元長距離バスの運転手)がこちらに遊びに来たときが発端でした。雨の中を一走りし帰るやいなや洗車をした彼は、「汚れが落ちやすいし、汚れたらすぐ洗うのが習慣になっている」とのこと。「これぞプロの言葉」とそれ以来、仕事部屋などは散らかり放題なのに、車だけはまめに洗うようになりました。
皆さんはどうですか?
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