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新・信州人倶楽部


▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲


第12号

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〜この季節に思い出すこと〜


E.E.

 このさわやかな季節、百姓にとってはひたすら働いて寝るだけの日々でもあります。そしてこの時期思い出されるのは、とんだ風薫る5月となったこと。

 我が家では田舎生活では切っても切れない下肥をただ捨てるのはもったいないと、枯れ葉を集めては小糠と下肥を混ぜ、発酵させます。また肥だめなるものに貯えるという2通りの方法をとっていますので、庭には年代別にいくつか貯蔵タンクが並んでいます。

 ただ問題なのは、この5月から夏場にかけての蛆虫の発生です。薬とこの虫嫌いの私は恐くてトイレにも行けず、もっぱらお花畑利用なのですが、夜ともなるとこうはいきません。毒草であるタケニグサやアセビなど細かく刻んでは投げ込むのですが効果薄し。されば発酵させたらどうか、とトイレの中に糠つぼなるものを置き、用を済ませたらこの糠を1杯入れるという日々にしたのですが、これは大失敗。かえって虫の栄養源となってしまったようで悲鳴の連続でした。どうにも良い手がないものかと思案中の時でもありました。

 いつものように貯蔵タンクから頃合いのものを一輪車のタンクに汲みとり、家の前のでこぼこの坂道を下っていきました。この日は蓋が壊れていて中のものが波打っています。慎重に神経を集中させて舗装された道にたどりつきました。ここからは道もいいので少し気をゆるめさらに下っていきました。枯葉のある畑はこの途中から左に入ったところにあります。畑の入口に付いた頃にはたかが200m程度なのですがひどく疲れている。あと一踏ん張りと畑の坂を上った途端一輪車もろとも転び、一瞬にして糞まみれになってしまったのです。

 お風呂に入っても暫くはこの匂いがとれず困りました。この日以来すっかり気落ちしてしまい、今では市から配付される“ウジ殺し”を振り、これは良く効くなあ、とお花畑にいくこともなくなりました。市の汲み取り屋にきてもらう度、「百姓たるものが!」と心が痛む生活でもあります。皆様も下肥に関する情報がありましたらお知らせください。なお、この堆肥にしたものは果樹専用であること、つけ加えておきます。





〜身近な山歩き〜


M.S.

 これから何回かこのページをお借りして、安曇野近辺の山の案内記を書かせてもらいます。ふと思いたって入門コースの山歩きをしたい方の参考になれば、と考えています。
予 定は蝶ヶ岳、常念岳、燕岳、八方尾根、唐松岳、乗鞍高原および乗鞍岳、美ヶ原、光城山、五竜岳遠見尾根です。

“蝶ヶ岳”

 安曇平で最も親しまれている山は、勿論常念岳ということになります。蝶ヶ岳はその常念の南部に連なる峯のことで、南北約1キロ、ピークは標高2,677mをもつゆるやかな山並みです。この山の特質は、槍・穂高連峰の展望台として他の追従を許さないロケーションをもっていることでしょう。われわれ写真屋は、日本を代表する槍・穂高連峰のカメラアングルを求めて、あらゆる角度の山々に登っていますが、この蝶ヶ岳からの景観ほど優れたものを他に知りません。蝶ヶ岳ヒュッテの目の前の台地からは、何もさえぎるもののない広大な空間を通して、真正面に怒濤のごとき岩稜を目にすることができます。山腹から山頂まで、1,000メートルを超す高さの山肌の細部まで読みとれる距離(地図で測ってみたら約6キロでした)から初めてこの秀峰を見たときの感動を私は終生忘れることができないでしょう。

 それは昭和63年10月22日のことでした。上高地から横尾山荘に入った日は雨で、仕方なく山荘に停滞。3日目の朝は、一転して好天に。7時、登高開始。途中、槍見平で槍ヶ岳の穂先を遠望しつつ、10時半頃蝶ヶ岳山頂に到着しました。振り返ると、輝くばかりの新雪をまとった槍・穂高連峰が圧倒的な迫力ですぐ眼前に立ちはだかっていたのです。昨日までの雨が山頂では雪になっていたようで、白砂糖をまぶしたような山肌は、抜けるような秋の青空のもとに見事なコントラストを見せていたのが印象的でした。

 現在のわれわれは、車で須砂渡経由、三股まで僅かな時間で入れます。ここが標高1,450m地点。山頂まで標高差1,300mの登りです。一般のコースタイムは4時間半位ですが、体力が落ちている我々でも50%増しの時間をかければ無理なく登れます。

<参考資料>
・ヒュッテは今年から5/1〜11/3まで通し営業。
 一泊2食8,500円
 Tel. 27-0100
・三股駐車場は約50台可、途中水場は少ない。
・山頂近くにお花畑あり、8月20日過ぎまでチングルマなど楽しめる。


第9回例会

 ペンションあるかすで、手作りピッツァの教室。
フリーマーケットも好評でした。


7月度例会のご案内

たまには松本平から離れて、諏訪郡富士見町でそば打ち体験。


会員紹介

今号では2人の会員に登場してもらいます。



編集人から

 梅雨に入ったといいながら大した雨もなく、ようやく6月の半ばにきて降ってくれました。これで庭の水やりや畑の水やりからちょっと解放されます。庭ではヤマボウシ、バラの花が咲き誇り、ラベンダーも今が一番きれいです。河原ではワスレナグサやムシトリナデシコが満開で、夏鳥の声も盛んに聞こえてきます。いい季節です。
 ところで庭の芝にクローバーがはびこり、昨年は手で取っていたのですが今年はとても追いつかず、芝を新しく入れ替えています。週末の作業を思うと少々ゆううつです。

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